オレの余剰次元

言いたいことも言えないこんな4次元じゃ

徒然なるままにMATHをかく

紆余曲折を経て,Hugo で生成してみることにした数学系ウェブサイト.URLのabcshowとは,abc予想を証明するのではなく,A.B.C.Show(たり前のことを鹿にしないでちゃんと明する)をモットーにちまちまと数学の諸定理を証明していきたいという意気込みを表したもの.手始めに自然数関連から.

好きな分野は代数的なアプローチの射影幾何(射影空間にまで辿り着けていない……).点列は もしくは と書きたい人.円周率は にすべきと思ってる人.数の構成は,正の実数全体を正の有理数全体の切断で定義してから, と負の実数,虚数を構成した方がいいかもしれないと思ってる人.

信者ではないが,気がついたらAppleにだいぶ投資(もしかしたら軽度の信者かもしれない).ただ,Apple Watchだけはどうしても食指が動かない.スタイリッシュに改札を通れない.

趣味のレベルだがPythonでよく遊ぶ.内包表記が数学してる人と親和してよい.他にもenumerateなどかゆいところに手が届く豊富な関数やライブラリーが魅力的だと思う.よく使うエディターはなんとなしにEmacs.MarkdownはVSCode.-er や -ty の伸ばし棒は無闇に省略すべきではないと思ってる人.HTMLの思想は割と好き.

何か間違いなどがありましたらTwitterまでどうぞ.

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公開日
2022年5月1日

ペアノの公理系

対象
大学2.0年
前提知識
集合の基礎
写像
集合族の共通部分

自然数が満たすべき性質をまとめたペアノの公理系は有名で,巷で盛んに紹介されています.自然数全体の集合は数学において基本的なものですから,自然数とはそもそも何かを追求するのは健全な姿勢です.自然数について紹介しているウェブページは沢山ありますが,この文書では自然数を知る上でかなり重要な概念である「再帰性定理(recursion theorem)」について掘り下げて解説します.

漸化式による数列の定義は認められる?

まずは再帰性定理を学ぶ意義について軽く解説します.例えば, で定義される数列 なんてものを平然と扱いますが,一般項が初等的に表せなくてもそのような数列を数学では扱うことができます.つまり,実際に計算せずとも,すべての自然数 に対して がただ一つ確定している,としてよいのです.このような漸化式によって数列が確定するという事実は,再帰性定理によるものなのです.中間値の定理や平均値の定理のように,具体的に幾つかは不明だけど,それを満足する実数は存在する,そんな感覚に似ています.